Perfect sound studio blog

ゼンハイザーが目指すパーフェクトサウンド

ゼンハイザーの創業者であるフリッツ・ゼンハイザー博士が開発した製品が大きな評判を呼び、高い評価を受けた理由。それは至ってシンプルなもので“音質の高さ”にある。1945年の創業当時からゼンハイザーの生み出す製品は、極めて高いクオリティを実現していた。音響機器に求められる本質とは、間違いなく「音」であり、ゼンハイザーは常に質の高い音を追い求め「パーフェクト・サウンド」を実現していた貴重な企業だった。

長年にわたり、音楽再生に革新をもたらしてきたゼンハイザーの製品ラインアップの全てで、一貫して拘り続けているのが「ダイナミック・ドライバー」だ。その理由はもちろん“音”。長年、ハイエンド・ヘッドホン開発に携わってきたシニア・アコースティック・エンジニアのアクセル・グレル氏は次のように語っている。
「バランスド・アーマチュア・ドライバーを採用したマルチウェイ機は、低域用、高域用それぞれにドライバーを用意することになります。特性の異なる二つのドライバーで一部の周波数帯を同時に再生することは、音の歪みへとつながってしまう。
つまり、再生周波数によるレンジが広がるメリットはありますが、最高のサウンドへの弊害となる不安要素も持っているのです。
一方でダイナミック・ドライバーは、ひとつのドライバーで全ての周波数帯をカバーすることになります。つまり、バランスド・アーマチュア・ドライバーによるマルチウェイ機で生じる再生周波数帯の重なりに起因した歪みは、一切発生することがありません。
ひとつのドライバーで広い帯域をカバーできるのであれば、それだけ純度の高い再生が可能となるのです。こうした高品位なダイナミック・ドライバーの開発は、長らくヘッドホンを開発してきたゼンハイザーだからこそ可能となったといっても過言ではないでしょう」。


繊細な作業が要求されるアッセンブルは、
熟練した職人によって手作業で行われている

またゼンハイザーのこだわりは組み立ての行程にもあらわれている。ゼンハイザーのプレミアムラインに採用されるのは、徹底して自社で管理・製造されたパーツと、世界中から選りすぐったパーツのみ。これらのハイグレードなパーツ類を使用して最高のプロダクトへ仕上げるためには、高いノウハウを持った職人が不可欠。この「人」こそが、ゼンハイザーのサウンドを大きく決定づける最高の財産なのだ。