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    Sennheiser

    ヒストリー


    時代へ「革新」を与え続ける「パーフェクト・サウンド」


    日常に溢れるゼンハイザーの音

     「SENNHEISER」というブランドネームだけみると、初めての方は「ゼンハイザー」と読むのは難しいかもしれません。しかし、いまこのサイトをご覧になっている方の多くが、何らかの形で私達のプロダクトのサウンドを耳にしていると思います。なぜなら、ゼンハイザーが世界でもトップクラスのマイクロフォン・カンパニーだからです。数多くのライヴ、フェスティバル、そしてドラマ、ニュース、スポーツ等々、日常の何気ないシーンにおいて皆様が耳にしている音の多くに、ゼンハイザーのマイクロフォンが使用されています。
     こうした日々の生活に溢れた音に密着しているゼンハイザーですから、当然、「音を忠実に再現する」ということには強いこだわりを持ち続けています。その代表的なものこそ、ヘッドフォン関連製品です。



    パーフェクト・サウンド

     ゼンハイザーは第二次世界大戦後間もない1945年に、技術者であり大学教授でもあったフリッツ・ゼンハイザー博士によって創立されました。当時の社名はLabor W。マイクロフォンをはじめとした音響機器の開発を開始した当時、ドイツはまだ敗戦間もない時代でした。本当に何もない“ゼロ”から、ゼンハイザーはその歴史をスタートさせたのです。
     フリッツ・ゼンハイザー博士が開発した製品は、瞬く間に大きな評判を呼びます。その理由はシンプルなもので、当時からゼンハイザーが生み出す製品は、極めて高いクオリティを実現していたのです。音響機器に求められる本質。それは間違いなく「音」です。ゼンハイザーは創業当時から、この本質である「パーフェクト・サウンド」を実現していた貴重な企業だったのです。
     以降、社名をSENNHEISER ELECTRONICと改めてからも、常にゼンハイザーはその時代における革新をもたらし続けてきました。

    創業者のフリッツ・ゼンハイザー博士

    現在のゼンハイザーを牽引するダニエル・ゼンハイザー。後ろに移るのは、ドイツ・ハノーファーの本社に残る創業当初の社屋

    現在の本社入り口。広大な敷地の中に、各種開発セクションやマイクロフォン、ハイエンド・ヘッドフォンを製造する工場が置かれている

    これまで、音響機器における世界的なアワードを多数受賞


    オーディオファイル・ヘッドフォンの元祖HD 414

     ゼンハイザーが音響機器業界に与えた革新の中でも、とりわけ大きな影響を与えたのが1968年に発売したヘッドフォン「HD 414」です。
     当時のヘッドフォンと言えばまだまだ簡素なもので、音質面ではもちろんデザイン性、装着感などにおいて、とても満足のいくクオリティではありませんでした。ヘッドフォンは構造上、耳のすぐ横でドライバーを鳴らす必要があります。当時の技術では極めて閉塞的なサウンドしか実現できなかったことに加え、装着感も快適とは言い難いものだったのです。しかし、HD 414はこの壁を大きく飛び越え「オーディオ機器としてのヘッドフォン」を確立させました。その理由は、世界で初めて実現した「オープン型」の採用にあります。ハウジング部を文字通り解放させたことにより、それまで密閉型で発生していた歪みなどの問題を解決したことで、クリアで自然なサウンドを実現したのです。また、装着感もそれまでのヘッドフォンとは一線を画すものでした。

    ヘッドフォンの歴史の中でも、極めて大きな意味を持つこととなった世界初のオープン型ヘッドフォン「HD 414」

     HD 414はヘッドフォンにデザイン性をもたらした最初の製品とも言えます。ひと目でHD 414だと分かる黄色いイヤーパッドを採用したデザインは、数多くのミュージシャンがステージやレコーディング、プロモーション写真に採用したほどです。このHD 414で得たデザインへの美学は、2012年に発売した「MOMENTUM」にも受け継がれています。
     いまやヘッドフォンには、オープン型を採用したハイエンド・モデルやファッション性の高いデザインをまとったモデルなど、非常にバリエーション豊かな製品が登場していますが、それらの源流を辿ると全てこのHD 414に行き着くと言っても過言ではないでしょう。

    高音質ヘッドフォンのスタンダード、HD 650

     HD 414以降にも、数多くのエポックメイキングな製品を世に送り出してきました。1976年にはオーディオ・グレードのワイヤレスヘッドフォン「HDI 434」、1977年にはエレクトロ・スタティック型の「Unipolar 2000」といったモデルも開発。多くのオーディオファイルから高い注目を集めました。1991年には、当時まだ誰も到達していなかったヘッドフォン・リスニングの境地を目指し、伝説的ヘッドフォン・システム「Orpheus(オルフェウス)」を誕生させました。Orpheusは、ヘッドフォンに秘められた可能性を全世界のオーディオファイルへ示すことになります。
     また、プロフェッショナルへ向けた製品開発も、ゼンハイザーの歴史を語る上で欠かせない要素です。音楽制作現場で活躍するエンジニアや世界各国で活躍するDJの多くに愛用されたHD 25は、発売から25年経った現在、<HD 25-1 II>としてプロフェッショナルやDJの定番として使用され続けています。

    ゼンハイザー初となるエレクトロ・スタティック型ヘッドフォン「Unipolar 2000」

    世界最高峰のヘッドフォン・システムとして登場した「Orpheus」

     数多くのヘッドフォンを開発してきたゼンハイザーですが、2003年、ヘッドフォンの歴史の中で極めて重要な意味を持つ製品を世に送り出します。「オープン型ヘッドフォンの到達点」とさえ称された、フラッグシップモデル「HD 650」です。

    発売後10年を経ても、いまなお不動のスタンダード・ヘッドフォンとしての地位を確立している「HD 650」

     当時としては最大級となる直径38mmのダイナミック・ドライバーを搭載したことに加え、ひと目でゼンハイザーと分かるデザインを採用したオープン型のHD 650は、瞬く間に世界中のオーディオファイルから絶大な支持を集めるに至ります。「真の高音質ヘッドフォンのスタンダード」としての地位を確立したHD 650は、登場後10年を経たいまでも色褪せることのない魅力を放ち続け、多くのオーディオファイルに愛されるモデルとなっています。

    新世代のフラッグシップ、HD 800

     HD 650は世界中で高い評価を獲得しましたが、ゼンハイザーはさらなる音楽再生の境地を追求しました。目指したのは「ヘッドフォンの存在を感じさせない、自然なサウンド」。これを実現するためには、ドライバーをはじめとしたヘッドフォンの構造を一から見直す必要がありました。この理想は長年の研究の末、2009年の「HD 800」でついに実現を果たします。

    世界最高峰のヘッドフォンと評される「HD 800」

    HD 800で採用されたリング形状の振動板

     HD 800には随所に革新的な技術が注ぎ込まれました。その代表的なものが、世界初となるリング形状を採用した直径56mm大口径ドライバーです。大口径ユニットは低域再生で大きなメリットをもたらす反面、高域には固有振動による弊害をもたらすことになり、オーディオファイルへ向けた製品開発は極めて難しいものでした。しかし、HD 800では、リング形状を採用したことにより、オーディオファイルが満足する大口径ドライバーを実現したのです。このリング形状は、音楽再生に必要な振動エリアの均一化を実現し、これまでのドライバーでは成し得なかった再現性を獲得しました。このドライバーを搭載した上で、イヤーカップの角度はもちろん、素材ひとつひとつに至るまでを徹底的に吟味した上で誕生したのが、HD 800なのです。この新世代のフラッグシップ・ヘッドフォンは、現在のヘッドフォンにおける最高峰モデルとして、揺るぎない地位を獲得しています。

    プレミアムなサウンドを約束する、HD 800のヘッドバンドに刻印されたシリアルナンバー


    なぜ、ダイナミック・ドライバーなのか?

     こうして長年にわたり、音楽再生に革新をもたらしてきたゼンハイザー。その製品ラインアップの全てには、これまでの開発で培ってきたノウハウがふんだんに盛り込まれています。これは「IE 80」や「IE 800」をはじめとしたイヤフォンのラインアップも同様です。
     昨今、高級イヤフォンでは、バランスド・アーマチュア・ドライバーなどマルチウェイを採用したモデルが主流となっておりますが、ゼンハイザーはヘッドフォンからイヤフォンまで、一貫してダイナミック・ドライバーにこだわり続けています。その理由はもちろん、「音」です。

    数々のハイエンド・ヘッドフォンの開発に携わってきたシニア・アコースティック・エンジニアのアクセル・グレル

     長年、ハイエンド・ヘッドフォン開発に携わってきたシニア・アコースティック・エンジニアのアクセル・グレルは語ります。
    「バランスド・アーマチュア・ドライバーを採用したマルチウェイ機は、低域用、高域用それぞれにドライバーを用意することになります。確かに、再生周波数によるレンジが広がるなどのメリットはありますが、特性の異なる二つのドライバーで一部の周波数帯を同時に再生してしまうことになります。これが音の歪みへとつながってしまいます。バランスド・アーマチュア・ドライバーは、最高のサウンドへの弊害となる不安要素も持っているのです。
     その一方でダイナミック・ドライバーは、ひとつのドライバーで全ての周波数帯をカバーすることになります。つまり、バランスド・アーマチュア・ドライバーによるマルチウェイ機で生じる「再生周波数帯の重なり」に起因した歪みは、一切発生することがありません。ひとつのドライバーで広い帯域をカバーできるのであれば、それだけ純度の高い再生が可能となるのです。こうした高品位なダイナミック・ドライバーの開発は、長らくヘッドフォンを開発してきたゼンハイザーだからこそ可能となったといっても過言ではないでしょう」

    優れた特性を持つダイナミック・ドライバーの開発は、ゼンハイザーだからこそ実現できたもの

    ヘッドフォンアンプを開発した理由

     2013年、ゼンハイザーはヘッドフォンの世界へ新たな再現性をもたらすべく、ヘッドフォンアンプ「HDVD 800」、「HDVA 600」を発売しました。おそらく、多くの方にとってこのヘッドフォンアンプの登場は予想外だったのではないでしょうか。しかし、このヘッドフォンアンプは、「パーフェクト・サウンド」の実現にとって欠かすことができないプロダクトです。
     現在のトップシリーズとなるHD 650、HD 800は300Ω、HD 700は150Ωと、ゼンハイザーのヘッドフォンは非常に高いインピーダンスとなっています。これは、最高品位の音楽再生における重要要素であるS/N(音楽信号に対するノイズのことで、数値が高いほど雑音が少ないことを意味)を極限まで高めるために確保した数値です。このインピーダンスが高いことによるメリットを余すところなく享受するためには、駆動力に優れたヘッドフォンアンプが必要不可欠です。しかし、ヘッドフォンの特性は実にさまざまです。理想的なヘッドフォン再生には、組み合わせるヘッドフォンに特化した性能を持つヘッドフォンアンプが必要だったのです。

    さらなる高品位なサウンドを目指して開発されたUSB DAC機能を搭載する「HDVD 800」。HDVD 800とパソコン、そしてHD 800を用いれば、机の前にいながら至高の音楽再生を体験することができる

     HDVD 800、HDVA 600は、従来のシングルエンド駆動用の端子に加え、バランス駆動用の端子も搭載しています。このヘッドフォンのバランス駆動は、さらなる高品位なサウンドを楽しませてくれる方式として昨今ふたたび注目を集めつつあります。ゼンハイザーのヘッドフォンとこのヘッドフォンアンプを組み合わせることで、本当に意味でノイズから解放された、高品位なサウンドをお楽しみいただけるでしょう。

    徹底したこだわりの元で組み立てられる至高のモデル達

     HD 800、HDVD800、HDVA600、IE800などのプレミアムラインの製品は、全てドイツ・ハノーファーにある工場にて生産されています。組み立てを行うのは、数多い従業員から選ばれた熟練の職人達です。特に繊細な作業を必要とする工程は、女性が中心となって行っています。

    2011年より可動を開始した新しい本社工場の様子。ここではHD 800やIE 800などのハイエンド・プロダクトが生産されている

     ゼンハイザーのプレミアムラインに採用されるのは、徹底して自社で管理・製造されたパーツと、世界中から選りすぐったパーツのみ。これらのハイグレードなパーツ類を使用して最高のプロダクトへを仕上げるためには、高いノウハウを持った職人が不可欠です。この「人」こそが、ゼンハイザーのサウンドを大きく決定づける私たちの財産でもあります。
     熟練の職人によって組み上げられた製品は、専用の計測器などを用いて幾重にも徹底したクオリティチェックがなされます。万が一、エラーが出た場合は生産ラインを根底から見直すなど、徹底した品質管理を行っていることもゼンハイザーの大きな特徴です。この厳しい過程を通過した個体のみが、皆様のお手元に届くことになります。

    繊細な作業が要求されるアッセンブルは、熟練した職人によって手作業で行われている

    完成した製品のみならず、部品の一点一点に厳しいチェックを行っている。これにより、高いレベルで安定した製品の供給を可能としている

    これからのゼンハイザーが目指すもの

     1945年に創業したゼンハイザーは、いまや世界有数のマイクロフォン/ヘッドフォンカンパニーとなりました。確かに大きな企業ではありますが、決して「巨大すぎる企業」ではありません。それゆえに、私たちはユーザーの皆様の細かな要求に応えることができる体制を常に維持することができています。
     ひとりでも多くの音にこだわる「本物」の皆様へ、他の企業では決してマネのできないプレミアムなプロダクトを開発し続けることこそが、いまも昔も、変わらず持ち続けている「パーフェクト・サウンド」というゼンハイザーの理念なのです。

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